IT業界では、経験が非常に重視される。エンジニア職についても必須の資格というものはとくになく、業務をこなすうえで必要なスキルと知識を持ってさえいれば、現場で活躍する機会が得られる。しかしその一方で、エンジニアを評価するうえで実務経験が重視されるのだ。

極端な話、難易度の高い関連資格を取得しているエンジニアよりも何も資格はないけれども実務経験が豊富なエンジニアのほうが高く評価される。つまり実務経験がないと仕事を獲得するのが難しくなってしまうのだ。

また、社会全体でIT化が推進されている影響もあってIT業界ではプロジェクトの大規模化も進んでいる。社内でチームを組んで行うだけでなく、他社やフリーランスとも協力したうえでプロジェクトを推進していくケースも多くなる。

そうなると与えられた役割を黙々とこなしていくだけでなく、チームの一員として積極的にプロジェクトに参加し、チームの仲間と協力しながら作業を進めていくことが求められるようになる。こうした場面ではやはり経験がある人材とない人材としては非常に大きな差が出てくるのだ。

そしてもうひとつ、IT業界の変化の速さも理由として挙げられる。続々と新しい技術が登場し、新しいサービスで登場しているなかでエンジニアが働くためには、変化を続ける顧客のニーズに柔軟に対応するスキルやノウハウも求められる。
これもやはり実務経験を積まないと身につけるのが難しい。こうした理由からIT業界で働くエンジニアには実務経験が非常に重要になるのだ。習うより慣れろ、の世界ともいえるだろう。